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レジオネラ対策

 
レジオネラ肺炎
2 - 10日の潜伏期間を経て高熱、咳、頭痛、筋肉痛、悪感等の症状が起こる。進行すると呼吸困難を発し胸の痛み、下痢、意識障害等を併発する。死亡率は15% - 30%と高い。
ポンティアック熱
多量のレジオネラを吸い込んだとき生じる。潜伏期間は1 - 2日で、全身の倦怠感、頭痛、咳などの症状を経て、多くは数日で回復する。
レジオネラ症は死亡者が発生する感染症です (1999年4月から報告対象に指定されています。)

レジオネラ症とは?
レジオネラ症は、1976年にアメリカのフィラデルフィアのホテルで米国在郷軍入会総会が開かれ、その参加者が集団で原因不明の肺炎がかかったことが発見の発端です。このとき221名が発症し、34名が死亡し大きな問題となりました。この病気は在郷軍人会Legion(レジオン)の名前をとって「レジオネラ症Legionella」という病名がつけられました。日本では「在郷軍人病」と呼ばれていたこともあります。
レジオネラ対策
1 定期的なレジオネラ菌検査の実施。
2 除菌洗浄の実施。
3 冷却塔では水処理薬品を添加し、循環水の過剰な濃縮を抑制することが必要になってきます。

レジオネラ菌の生息環境
冷却塔水・浴槽水・給湯水・温泉浴槽水・プール水・噴水など修景用水・雑用水などの身近な水環境のバイオフィルム(微生物膜)の中でレジオネラ属菌は生息・増殖しています。バイオフィルムを洗浄除去し形成させないようにする必要があります

冷却塔からの感染経路
冷却塔は水と多量の空気とを急速に接触させて、循環水の0.7%を蒸発させることにより循環水の温度を5℃下げます。このとき冷却水がエアロゾルとなって飛散するので、水中のレジオネラ属菌もいっしょに散布されることになります。このレジオネラ属菌を含んだエアロゾルを吸い込むことで、レジオネラ症の感染発症へとつながっていきます。冷却塔はレジオネラ属菌の感染源として極めて重要なチェックポイントです。
冷却塔はレジオネラ菌の温床 充填材に付着したバイオフィルムの中にレジオネラ菌は生息している。

レジオネラ症対策
レジオネラ菌検査 東京都は条例等で、公衆浴場や旅館業等の浴槽水について「レジオネラ属菌は検出されないこと。」と定め、1年に1回以上の検査を行うこととしている。なお、ここでいう「検出されないこと。」とは、国が指針で示している10CFU/100mL未満をいいます。
除菌洗浄 レジオネラ菌が100CPU/100ml以上検出されたら、すぐ除菌洗浄をj実施し、洗浄後に菌数を確認しましょう。
冷却塔薬注装置 ソーラ式薬注装置
エコフィーダーSORA
冷却塔は循環水の高濃縮運転をさける対策をとり、水処理剤の添加とをしてレジオネラの増殖を抑制しましょう。
自動ブロー装置SW-9000と太陽電池式の薬注装置「エコフィーダーSORA」がお薦めです。
水処理薬品 水処理剤
水処理剤はオルブレイドをおお薦めします。
オルガードパック 冷却塔に浮かべてておくだけ、簡単・手間いらずです。(50RTにつき1個設置)
一日8時間運転の冷却塔で、約3ケ月間(目安)の水処理効果があります。
レジオネラ症は感染症です

身近な水環境におけるレジオネラ属菌の生息状況(東京都健康安全研究センターの調査結果)
1、空調用冷却塔水
レジオネラの発見のいきさつもあって、都市環境におけるレジオネラ汚染と最も深い関わりがあるのは空調用冷却塔水である。東京都内のビルに設置されている空調用冷却塔から冷却水採取して調査した。表1に、調査年次ごとの試料数、検出率及び検出菌数の範囲を示す。
全調査期間を通じてみると、検出された菌数は少ない場合は10CFU/100mL以下であったが、最大値は1,000~100,000CFU/100mLのオーダーで検出され、検出率は22%から60%まで変動した。この背景には調査定点が異なることもあるが、施設ごとの維持管理にバラツキがあることも推定できる。すなわち、冷却塔のレジオネラ汚染防止対策については法的に強制されたものではなく、施設設置者の自主管理になっているために、レジオネラ汚染防止対策について積極的な設では定期的な清掃が行われ、検査も定期的に実施している場合が多いが、そうでない施設では清掃や検査などのレジオネラ対策をあまり行っていないことが推測される。レジオネラの検出率は、1996年度以降は30%前後で安定していたが、2000年度は検出率が高かった。

表1 冷却塔水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1987 114 68 59.6 4.0×100~5.0×104
1988 72 21 29.2 4.0×100~8.4×103
1989 60 36 60.0 4.0×100~8.0×103
1993 39 16 41.0 6.0×100~3.4×104
1994 104 23 22.1 4.0×100~8.0×104
1995 89 51 57.3 4.0×100~8.6×105
1996 145 45 31.0 6.0×100~5.7×104
1997 126 41 32.5 1.2×100~1.6×104
1998 146 41 28.1 1.8×100~2.2×104
1999 204 68 33.3 1.0×100~2.2×104
2000 208 112 53.8 4.0×100~2.4×105
2、給湯水
従来、わが国の給湯設備では、給湯温度が60℃以上と高く保持されており、使用時に給水と混合して温度を下げるため、給湯水におけるレジオネラの問題はないと考えられてきた。しかし近年、省エネの気運の高まりや、そのまま使用できる利便性及び火傷の防止といった理由から、給湯温度を下げる傾向にあり、給湯水におけるレジオネラの定着・増殖が危惧される。
 給湯水の調査結果を表2にまとめた。これらの給湯水の湯沸かし方式は、家庭用の瞬間湯沸かし器、電気温水器などの貯湯式温水器及び事務所ビルなどにみられる循環式給湯水である。検出率は1998年度を除いて5~9%程度と低率であり、検出された菌数は冷却塔水の1/10~1/100程度であった。このように検出率、菌数ともに比較的小さいものであったが、給湯水の一部はレジオネラに汚染されている事実が明らかとなり、給湯水がレジオネラ症の感染源となり得ることが示唆された。給湯水温との関係では、給湯温度が末端で55℃を越えて温度が維持されている場合、レジオネラはほとんど検出されない。また、循環式あるいは貯湯式の給湯水で検出される一方、瞬間湯沸かし器形式では水道水が短時間に加熱されるため残留塩素が存在しており、給湯水が滞留することもないため、瞬間湯沸かし器形式の給湯水からはレジオネラはまったく検出されなかった。
 病院や老人ホームなどでは大型の給湯設備は特に必須のものであるが、給湯温度を下げた給湯はレジオネラ感染の防止という観点からは危険であり、ひとたび給湯系に定着したレジオネラは長期間生残し増殖することが考えられる。こうしたレジオネラを除去するには貯湯槽の大掛かりな清掃と、給湯温度の上昇が不可欠である。
給湯温度を70℃に上げ20時間循環させてレジオネラを除去した例もある。

表2 給湯水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1993 80 7 8.8 4.0×100~1.7×102
1996 57 5 8.8 4.0×100~1.0×104
1997 24 2 8.3 7.0×100~1.6×103
1998 210 36 17.1 1.2×100~9.6×102
1999 76 4 5.3 1.0×100~1.9×102
2000 82 5 6.1 2.0×100~5.2×102
3、修景用水
レジオネラはエアロゾルと共に飛散してヒトに呼吸器系感染するので、エアロゾルが発生する可能性が大きい水環境として、公園や広場、建築物の中庭や屋内などに設けられている噴水や滝(総称して修景用水という)の水
について調査した。
 調査結果は表3に示したとおりで、調査した全施設の20%程度にレジオネラが生息していることが判明した。このような水環境に生息しているレジオネラが直ちにヒトに対して健康被害を及ぼすか否かは、レジオネラの飛散実態が判明してない現状では今後の研究課題である。

表3 修景用水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1996 19 4 21.1 1.0×101~3.0×101
1997 46 9 19.6 2.0×100~1.4×103
1998 30 6 20.0 4.0×100~3.8×103
4、雑用水
首都圏や恒常的な水不足問題を抱えている都市では、水資源の有効利用の一環として、雨水、あるいは下水処理水等をさらに高度処理した再生水を便器の洗浄水などに再利用している。こうした雑用水の用途はこれまでは便所洗浄水がほとんどであったが、一部では車両等の洗浄に使用され、さらには修景用水や親水用水にまで用途を拡大する方向にある。こうした用途への雑用水の使用の拡大は、必然的にエアロゾルの発生を伴い、レジオネラ感染の場になる可能性が増大することは避けられない。
 表4に都内の雑用水利用施設で採取した雑用水からのレジオネラ検出状況をまとめた。各年度で調査定点が異なるため、経年的な変化は解析できないが、検出割合、検出菌数ともに少ないものの、雑用水にもレジオネラが生息していることが明らかとなった。したがって、エアロゾルが発生する可能性のある施設や用途に雑用水を使用する場合は、レジオネラ汚染を十分考慮した管理が必要がある。

表4 雑用水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1994 9 2 22.2 2.0×100~6.0×101
1996 64 3 4.7 2.0×100~6.0×102
1998 25 0 0.0
1999 25 3 12.0 6.4×100~1.9×103
5、温泉浴槽水
レジオネラが生息する水環境として温泉浴槽水がある。温泉浴槽で溺れるなどして浴槽の水を誤飲したことが原因と考えられるレジオネラ症は、全国ですでにいくつも確認されている。
 温泉浴槽水の調査結果を表5に示した。なお調査地域は首都圏に限定していない。調査地点及び調査件数は年度ごとに一定していないが、3割から6割、平均約4割と高い検出率であり、検出菌数では空調用冷却塔水なみに多い例もあった。藪内ら(1994)は、1都12県にわたる40温泉の17カ所(42.5%)からレジオネラを検出している。この結果は表5に示した調査結果とよく一致しており、検出菌数もほぼ同様であった。こうしたことから、温泉浴槽水のレジオネラ汚染はかなり一般的にあるものといえる。この背景には、源泉は高温の温泉であっても、その浴槽水については「24時間風呂」と同様の保温循環ろ過方式で浄化されている施設が増えているためではないかと推
察される。

表5 温泉浴槽水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1995 20 6 30.0 2.0×100~3.6×101
1996 7 3 42.9 6.0×100~6.4×101
1999 13 8 61.5 2.0×101~4.8×104
2000 8 4 50.0 1.0×101~5.2×102
6、プール水
プールでの遊泳は必然的にエアロゾルの発生を伴うことから、都内にある室内プールを対象として1997年度と1998年度に合計154件を調査した。内訳は、プール水71件、ジャグジー27件、シャワー水56件であり、調査はおもに1997年に行われた。結果は表6に示したように、レジオネラが検出されたのはジャグジー1件のみであり、その菌数も比較的少なかった。このジャグジーでは残留塩素は検出されなかった。
 都では、遊泳用プール水に対して条例及び規則でろ過による浄化や残留塩素等の確保を含めた水質基準が定められている。すなわち、プール水は条例等に沿ってろ過並びに消毒等の管理が適正に行われていれば、レジオネラは効率よく除去・消毒され、レジオネラ汚染を防止できるものと推測される。

表6 水泳プール水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
1997 152 1 0.7 1.0×102
1998 2 0  0.0   
7、浴槽水
保温循環式浴槽、いわゆる「24時間風呂」の水質浄化機構は、浄化に有効な微生物をろ過材に繁殖させ、ろ過材による懸濁物質の抑留とそれらの微生物の補食及び酸化分解機能を利用して浴槽水を浄化するものである。
このような浄化システムで浄化した浴槽水は、水の微生物汚染指標である「一般細菌」及び「大腸菌群」を飲料水なみに低減させることが出来る。しかし、レジオネラはこれらの細菌が抑制される浄化システムの中で、ろ過材に捕捉された有機物や他の微生物を利用して増殖し、浴槽水を著しく汚染した。しかも、指標細菌ではないため水質評価の対象となっておらず、測定されていなかった。
 このような背景をもとに、著者らは、数年間にわたって浴槽水のレジオネラ汚染調査を精力的に行ってきた。
調査対象となった浴槽水は1995年度から2000年度までに総数894件にのぼっている。内訳は、家庭用のいわゆる「24時間風呂」、家庭用の毎日全換水する風呂、特別養護老人ホーム等の施設のいわゆる「24時間風呂」や毎日全換水する風呂、公衆浴場などである。
 調査結果は表7にまとめた。調査結果を概略的にみると、毎日全換水する普通の風呂の浴槽水からは、家庭用、特養施設ともにレジオネラは検出されなかった。
しかし、「24時間風呂」や循環式浴槽水では高率(31.8%~85.7%)にレジオネラが検出され、検出菌数の最大値は330万CFU/100mLであった。この結果から、いわゆる24時間風呂では高い割合でレジオネラが存在しており、また菌数も著しく多い場合があるので、レジオネラへの暴露をなるべく避けるため、こうした浴槽水をジェトバスで使用したり、シャワーに使用するなどエアロゾルが発生しやすい使用方法は避けたほうが望ましいといえる。
またレジオネラが繁殖しないように、浴槽やろ過器をこまめに洗浄し、消毒を怠らないように十分管理する必要がある。

表7 浴槽水からのレジオネラ検出状況
調査年次 試料数 検出件数 検出率
(%)
検出菌数
(CFU/100mL)
備考
1995 11 9 81.8 1.8×102~1.0×105 個人24時間風呂
1996 179 138 77.1 2.0×100~6.8×105 個人24時間風呂
30 0 0.0   個人一般風呂
1997 156 128 82.1 4.0×100~1.1×106 個人24時間風呂
1998 22 11 50.0 1.0×101~2.4×104 個人24時間風呂
94 59 62.8 1.0×101~4.2×104 特養施設24時間風呂
21 7 33.3 1.6×101~8.9×104 特養施設循環風呂
34 0 0.0   特養施設一般風呂
1999 7 6 85.7 9.4×102~1.5×106 個人24時間風呂
110 35 31.8 2.0×100~3.6×105 特養施設24時間風呂
10 3 30.0 2.0×100~2.8×103 特養施設循環風呂
5 0 0.0   特養施設一般風呂
2000 213 87 40.8 2.0×100~4.2×105 公衆浴場、施設風呂等
2 1 50.0 3.3×106 個人24時間風呂
「レジオネラ症」患者報告数の推移(1999-2006年)


レジオネラ症は1999年4月から報告対象となりました。





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